黒いライカとは、こういうものです
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は、いよいよ黒いライカだね。いきなりだけど、このライカすごいでしょ。
ライカM4 ブラックペイント
このライカは、こないだオーストリアに行ったときにカメラ31っていうウィーン17区31番地にあるカメラ屋の店主、フランツが出してきてくれて「あるおじいちゃんがずぅーっと使っていて、定期的にオーバーホールもしていた品物だから君が持っていくべきだ」とか言われて思わず仕入れてきちゃったの。そのままでもかなり具合はいいんだけど、これからこっちでもオーバーホールするから更に調子が良くなるよ。
ライカA型 距離計付き 21万6000円
そもそもライカって戦前に出てきたときにはブラック仕上げしかなかったんだよね。この時代は、距離計もブラック仕上げ。冒頭に登場したライカM4に比べると、戦前のライカの方がペイントがボロボロに剥がれているのは少ない。塗装が良かったのか、カメラはケースに入れて使うのが当り前の時代だったからなのか、その辺は謎です。
ライカⅡ型 エルマー付き16万2000円
距離計をカメラに内蔵させたライカⅡ型の時代になると、ブラック仕上げだけじゃなくてクロームのモデルも登場する。たぶん1930年代に登場したコンタックスⅡ型がクローム仕上げだったので、その影響もある気がする。それからずっとカメラといえばクローム仕上げが主流になっていくんだけれど、戦後に黒いライカが欲しいという写真家が現れて少量ながらブラックペイントのM型ライカが作られるんだね。
ライカM4 ブラックペイント
あらためて眺めてみると、このM4は凄くいい感じだよね。言っときますけど黒い塗料をわざと剥がしたんじゃなくて、このカメラが作られた1960年代からずぅーと使い続けていたら自然とこうなった。たまにビカビカの黒塗りのライカが出てくることもあるけれど、そういうのは使われてないから機械としての調子は悪いね。それに比べるとコレは非常にいいですよ。そしてね、よく見ると塗装は剥がれているけれど凹みとかは見当たらない。きっと丁寧に扱われていたんだね。
ライカM4 ズミルックス35ミリF1.4付き 68万4000円
レンズもストッパー付きのズミルックス35ミリで時代考証もバッチリだね。このM4と一緒に使われていたレンズは外側が結構くたびれているけれどレンズはスカッとクリア。こういう組み合わせの黒いライカには、クロームのモデルには出せない味があるよね。