クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

本家本元、アルテ・リンホフ

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は、ドイツ大型カメラの王様、リンホフの最初期モデルについて。

これがリンホフ?
これがリンホフ?

と思うよね。リンホフといえばテヒニカとか金属の塊から削り出した頑丈なカメラのイメージが強いよね。ボクも昔はそう思ってた。欧州に買い付けに通い始めて10年程した頃に、ミュンヘンでリンホフの修理をしているお爺さんが引退するっていうので道具と部品を譲り受けたんだよ。でも、はるばるドイツから送られてきた部品ってただの金属の塊で、それを加工して作る旋盤なんかが道具なんでビックリした。ホントに削って作っているんだ!って驚いたね。

リンホフの名前はないけれど
リンホフの名前はないけれど

そんなリンホフも、最初期は様子がちがっていたんだね。これは9×12判のモデルで1920年代初頭に作られたもの。

ピントフードを開けたところ
ピントフードを開けたところ

蛇腹を繰り出して、後ろの磨りガラスでピントを見る。その後のリンホフみたいに頑丈な感じじゃない。これはもともとペルカというメーカーをリンホフが買い取って、そこで作っていたシラーというカメラをベースにしたもの。だから、まだリンホフの名前が付いていない。

ロールホルダーを装着
ロールホルダーを装着

写真を撮るときは、ピントグラスをはずしてフィルムを入れる。ロールホルダーがあるので、そんなに苦労せずに撮れる。

レンズボード
レンズボード

ボードを使ってササッとレンズが交換できるのが、その後のリンホフに受け継がれているところ。このカメラはイギリスで見つけてきたんだけれど、レンズはイギリスのダルメイヤー。ボードの前と後ろ両方にレンズをねじ込むと135ミリで、前だけか後ろだけを使うと200ミリと280ミリになる。このレンズだけで3本分の働きをするんです。

アルテ・リンホフ 9×12 Dallmeyer 135mm f6.3つき 21万円
アルテ・リンホフ 9×12
Dallmeyer 135mm f6.3つき 21万円

蛇腹が280ミリの焦点距離でも大丈夫なようにグングン伸びる。この3段伸ばしの構造も、その後のリンホフでおなじみの機構だよね。このあたりがやっぱりリンホフだとわかるポイントなんです。このカメラ、特に名前はないけれどあえてドイツ語で呼ぶならアルテ・リンホフかな。日本語だとつまんないけど「古いリンホフ」という意味ね。

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