そうだ、ベス単にしよう。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は、コダックが作って世界中で165万台も売れたと言われるベス単について。127フィルムを使って6×4.5判の写真が撮れる戦前のベストセラーです。
ベス単
このカメラの思い出といえば、新婚旅行で使ったんだよね。本当はローライ35を用意していたんだけど披露宴のスピーチが長過ぎて予定が遅れに遅れて新幹線の最終列車に間に合わない!って慌てて浅草の家から飛び出したらカメラ忘れちゃったんだね。それで何とか到着した京都で三条大橋のたもとにあったカメラ屋さんにベス単が2台あったもんだからそれを両方とも買ったの。昭和48年のことだから、その当時でも充分アンティークですよ。ひとつに白黒、もうひとつにカラーフィルムをサービスで入れてもらってね、そりゃもうよく写ってましたよ。
モデルBとスペシャル
ベス単は、その後フィルムを入れやすくしたモデルBを出して、ボーイスカウト専用のも売ってた。スペシャルになると単レンズじゃなくて2枚玉になるけど、これもベス単の一種だね。あ、ちなみにベス単とはヴェスト・ポケット・コダックの単玉、1枚レンズのカメラのこと。
独日独のベス単コピー機
コダックのすごいところは、どんどんベス単のマネをさせたこと。今度127フィルムというのを出しましたので、こんなカメラを作ってくださいって仕様を公開したんだ。左のカメラはツァイス・イコンの前身コンテッサ・ネッテルのコカレット。まん中にあるのが、小西六のパーレット。右はエルネマンのロルフ。ドイツも日本もベス単のコピーを作っていたんだね。
ロールテナックスとRIO
ベス単に興味を持つと、その周辺に面白いカメラがあることに気づいちゃうんだよ。ゲルツが作っていたロールテナックスなんて、レンズはかのダゴールだったりするし、ちょっとトロピカルな雰囲気がする豪華なカメラのRIOとかもいいよね。これは珍品の類です。
ヴァニティ・コダック
で、極めつけは本家本元コダックの豪華版、ヴァニティ・コダック。ブラウンにブルーそしてレッドの3色そろい踏みでコレクション完成だと喜んでいたら、このシリーズはグレーとグリーンもあるんだって。全部で5色展開していたっていうんだから恐れ入りますよ。