クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

謎なマウントの一眼レフ

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は、普段あまり店に並べることのない、ちょっと変わったマウントの35ミリ判一眼レフでも紹介しようと思います。

Cnopm
Cnopm

これはソ連が世界で初めて作った35ミリ判の一眼レフだと言われていたCnopm。ロシア語の読み方はよくわかんないけれど、スポーツと呼ばれたりしてるよね。1936年に出たということなので、ドイツのキネエクサクタと同着1位で世界初なのかもしれないカメラです。

Cnopm 108,000円
Cnopm 108,000円

ソ連のカメラにしては珍しく、何かのマネじゃなくて独自の設計をしている。ミラーがシャッターの代わりになるという構造は、このあとに出たドイツのエクサみたいな感じだね。で、一眼レフなのでレンズ交換ができるように独自のバヨネットマウントになっているんだけれど、50ミリの標準レンズ以外は見たことない。あったら大変な珍品ですよ。

マミヤプリズマットWP 32,400円
マミヤプリズマットWP 32,400円

謎なマウントと言えば日本のマミヤの一眼レフ、マミヤプリズマットWPというカメラも謎だね。プリズマットは最初エクサクタマウントだったんだけど、エクサクタの規格って後ろ玉が大きく設計できないから、思いっきり独自のバヨネットマウントに切り換えた。でもすぐそのあとに、プラクチカやペンタックスと同じM42マウントに鞍替えするんだよね。だからプリズマットWPの交換レンズも見つけづらい。

プリズマットとニコレックスF
プリズマットとニコレックスF

ちなみにプリズマットWPが出た1962年に、あちこちの部品が流用してあるカメラが日本光学から出てる。マミヤが作って日本光学に収めていたとされるニコレックスFというカメラ。ニコレックスFのほうがちょっと背が高く見えるのは、シャッターの構造はプリズマットが横走りなのに対してニコレックスFは金属の縦走りシャッターだから。

ニコレックスF 27,000円
ニコレックスF 27,000円

ニコレックスFは、ニコンFの好評を受けてニコンFと同じマウントで廉価なカメラが欲しいという要望に応えるために作られたモデル。評判のいいニコンFマウントのニッコールレンズを、手頃な価格のボディに組み合わせて使えるという目論みだったと思うんだけれど、このニコレックスFに着けてあるレンズはニッコールじゃない。

セコール35ミリ ニコンFマウント
セコール35ミリ ニコンFマウント

このレンズ、ニコンFマウントなんだけど、セコールつまりマミヤの作ったレンズなんだよね。マミヤの35ミリ一眼レフって7回もマウントを変えているんだけれどニコンFマウントのモデルはない。だからこのレンズはマミヤ製だけどマミヤの一眼レフには使えない。もう、何が何だか訳がわからないけど、その辺の事情を知っている人ってもう誰もいないかもしれないね。

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