キヤノンの憂鬱
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラは、キヤノンの一眼レフ、キヤノンフレックス。今では一眼レフをはじめとするカメラの総合メーカーとして知られるキヤノンだけど、実はライカをコピーしたようなレンジファインダーカメラをずっと作っていて、一眼レフタイプのカメラに関しては後発だった。
キヤノンフレックスR2000
これがキヤノンの一眼レフ、キヤノンフレックスR2000だね。このカメラが出る少し前に登場したのがニコンFです。
ニコンF
報道の現場で一眼レフが使われるようになったのはニコンFが登場したから。頑丈で交換レンズの数も揃っていた。このニコンFに対抗しようとして、キヤノンも一眼レフを出したんだろうね。
キヤノンフレックス
尖ったニコンに対して、キヤノンフレックスは平べったいファインダーだね。ニコンFと同じように、ファインダーは取り外せるんだけど、このアイレベルのファインダーしか見たことないんだよね。
キヤノンフレックスR2000
ニコンFとの違いとしては、フィルム巻き上げが底面のレバーで操作すること。それだけじゃダメだと思ったのか、最初のキヤノンフレックスのシャッター速度に1/2000秒を加えたのがR2000。ニコンFの最高速度は1/1000秒だから、性能としては超えたと言えるポイントだね。とはいえ正確に最高速度は出ないです。
キヤノンフレックスRPブラック
で、機能的に無理をせず、ファインダーも固定式にしてしまい、すこし売値を安くしたモデルがキヤノンフレックスRP。ブラックは珍しい。これはニコンFの対抗機種ではなくて、その当時に最も売れていた一眼レフ、アサヒペンタックスがライバルになるんだろうけど、ペンタックスほど売れなかった。
キヤノンフレックスRM
そこで、当時としては外付けが一般的だった時代に先駆けてセレン式の露出計を組み込んでみたのがキヤノンフレックスRMだね。メーターが入ったぶん、カメラの背丈が高くなってる。このカメラの出る前年にレンジファインダー式でメーター組み込みのキヤノン7が出てます。
キヤノンフレックスRMブラック
このブラックモデルは珍しい。いずれにしてもキヤノンフレックスはニコンFやペンタックスほど売れず、このあとレンズマウントをスーパーキヤノマチックからキヤノンFLに変更して出したシリーズもいまひとつで、キヤノンFDマウントのAE−1が大ヒットするまではカメラ設計者はずっと憂鬱だったんじゃないかと思うんだよね。ちなみに今回紹介したキヤノンフレックスは、まとめて売約済みです。