クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

小さなフルサイズカメラ、ルフレ

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラはフランスのルフレという機種です。フランス語で書くとLE FURETすなわちフェレットだからイタチの仲間。アメリカとか日本だとイタチってズル賢いイメージだったりするんだけれど、ボクにはフランス人の考えることはよく判らない。もしかしてズル賢いところがカワイイとか思っているのかもしれない(笑)。

ルフレ1号機(左)とコンパーシャッター付き(右)
ルフレ1号機(左)とコンパーシャッター付き(右)

ルフレの1号機が登場したのは1923年。ライカの0型と同時だけれど量産型のライカA型が出てくるのは1925年だからライカ以前のカメラと考えていいと思う。ルフレは、35ミリ映画フィルムを使って撮影するカメラで、とにかく小さい。どんなサイズなのかフィルムの箱の上に載せてみました。もちろんライカよりうんと小さいです。

撮影サイズは、いわゆるライカ判
撮影サイズは、いわゆるライカ判

で、撮影サイズは35ミリ映画フィルムを使って映画の2コマぶんをつなげて1コマにしたもの。ライカが登場してからライカ判と呼ばれるようになった撮影サイズなんだけど、同じアイデアで作られたカメラが何種類もあった。その中のひとつがルフレなんです。最近のデジカメ用語だとライカ判じゃなくてフルサイズですね。ちなみにこのカメラは珍品の類で、あまり市場に出てこない。インターネットで検索してもカメラの情報は殆どなくて、ブーランジェリーとかレストランが出てくるけど動物の名前のパン屋さんって、ちょっと変な感じだよね?

ルフレ 1号機 整備済み399,000円
ルフレ 1号機 整備済み399,000円

ルフレはフランスのカメラだけあって1号機に載っているレンズはパリのベルチオのフロール40ミリで開放値F4.5。固定焦点でシャッターはエバーセットの簡易型。銘板にNo.303と刻んであるのでたぶん300台以上は作られたんじゃないかなと思う。

ルフレコンパーシャッター付き 整備済み399.000円
ルフレコンパーシャッター付き 整備済み399.000円

こっちは1925年に登場したコンパーシャッター付きモデル。レンズはパリのHERMAGIS40ミリで開放値は少し明るいF3.5。直進ヘリコイドで目測のピント合わせもできるデラックス版です。思い返せば初めてルフレを買ったのは今から17年前。パリのガラス屋根のパッサージュにあるカメラ屋だったけど、それも勘定して4台しか手にしたことがないんだから、やっぱりこのカメラは珍品ですよ。

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