“大口径時代”の名作カメラ、エルマノックス。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラは、ドイツのカメラメーカー、エルネマンのエルマノックス。カメラって言うよりレンズそのものみたいなカメラだよね。エルマノックスが登場したのは1924年。この時代は驚くほど明るいレンズを開発するのがブームだったんだ。ルドルフのプラズマート、ツァイスのビオター、ダルメイヤーのスピード。大航海時代じゃなくて大口径時代だね。
【エルネマン エルマノックス】
エルマノックスのレンズは、ベルテレの設計したエルノスター。室内でフラッシュなしで撮れる100ミリF2の大口径。このカメラを使ってエーリッヒ・ザロモンが撮った国際会議の様子や法廷写真が日刊ベルリン絵入り新聞に掲載されて評判になったそうです。それまでイラストで描かれていたものが写真になったんだから、話題になるよね。
【エルノスター 100ミリF2】
エルノスターの設計者ベルテレは、後にコンタックス用のゾナーとかビオゴンを作ったことでも有名だよね。何でコンタックス用のレンズを作ったのかと言えば、在籍していたエルネマンが1926年にツァイス・イコンに合併吸収されたから。
【エルノスターのシャッターダイヤル】
だから、エルノスターにはエルネマン銘だけじゃなくて、ツァイス銘もある。実はエルノスターのシャッター機構は、近代的なフォーカルプレーンシャッターの基礎になっていると思うんだ。先幕の動きが後幕を制御することや、上下に走る仕組み、スリット幅を安定させる金属板とか、1932年に登場する最初のコンタックスに採用されていくアイデアがエルノスターに入っていることが中身を見るとわかる。
【エルマノックス 整備済み 120フィルムバッグ付 420,000円】
エルマノックスで現在撮影しようとするとフィルムの調達が困難なので、今でも手に入る120ロールフィルムで使える特別仕様のフィルムバッグが付いてきます。エルマノックスだけ持っている人には、フィルムバッグ単体の販売もしています。ちなみに値段は5万円です。