一生もののコンパクト、ローライ35。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラは、ローライ35です。今でも覚えているんだけど、私の月給が1万9千5百円の頃に日本で売り出されたんだけど、その値段にビックリしたんだよね。クロームのボディが何と6万7千円もした。ちなみにブラックボディだとさらに高くて7万2千円でした。1967年頃だったと思うんだけど、このカメラは値段だけでなく内容にもビックリしたものです。デッケル社に特注させたシャッターと、ゴッセン社に作らせたメーター、それにカールツァイスのテッサーレンズを仕込んだドイツ製のコンパクトカメラ。とにかくこんなカメラはそれまで存在しなかった。
【ローライ35 Germany クローム 整備済 63.000円】
1973年頃になるとウチの店でもローライ35の中古を扱うようになったんだけれど、買っていった爺さんが何日かして、当時最新機種のニコンF2フォトミックと交換レンズ3本のセットを持ってきて、こんな重たいカメラいらないから、いくらでもいいから置いていくっていうんだよ。しかもローライ35の方が良く写るって(笑)。
【ローライ35 Germany ブラック 整備済 115.500円】
それでね、私もいつかローライ35と思って、新婚旅行の時にいよいよ自分用のローライ35を用意して、フィルムも詰めて、撮る気まんまんで、だけどなぜか家に置いたまま出発しちゃったんだよね(笑)。それから37年ずっと自分用として使っているけれど故障しないカメラだよね。ローライ35は1970年代の前半からシンガポールで生産するようになっちゃったんだけど、丈夫で長持ちするのはドイツで生産していた頃のモデル。中身を見れば、その理由は判ります。もちろん自分用のはドイツ製ですよ。
【ローライ35 Germany ゴールド 整備済 168.000円】
ちなみにドイツ製のローライ35にはゴールドもある。私の月給が2万4千円になった頃、このカメラの定価が30万円。いわば年収を投げ打つカメラだったよね。当時、東京駅の大丸デパートで、このカメラを買った人を見た時は驚いた。店員さんがカランカランとカネを鳴らしちゃってね。あの頃のデパートって大きな買い物をするとそうしていたものです。えぇ〜!世の中にはこんなカメラをポンと買うジジイがいるんだって、たまげたものですよ。いま、店にキレイなのが1台あります。