ナーゲル博士の小さなカメラとライカの関係。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は小さくて可愛らしいカメラをまとめて紹介します。127ロールフィルムで16コマ撮れる、いわゆるベスト半裁のカメラがブームになったのは1930年代。マキネッテ、メントールドライフィア、コリブリ、ベビーイコンタなどいろんな機種があったんだけど、この時代のドイツは大変な時期だったんだよね。
時に1926年、大不況の影響を受けて当時の名門カメラメーカーだったイカ、コンテッサ・ネッテル、エルネマンおよびゲルツの4社は大同合併することで生き残る道を選んだんだ。そうして出来上がったのが、ご存知ツァイス・イコン社なんだね。
だけど、その大同を良しとしない人がいたんだ。それがコンテッサ・ネッテルの社長、ナーゲル博士。ツァイス・イコンに属することを嫌って独立して自分の理想とするカメラを作ることにしたんだ。
流行のベスト半裁小型カメラは出来た。ではレンズをどうする? という段になって、袂を分かったツアイスからテッサーレンズを買い入れることなんて意地でも出来ないよね。そこでナーゲル博士に助け舟を出したのが、ライカを作っていたライツだったんだ。
【左から ボレンダ ピュピュレ・レフレックス ピュピュレ】
みんなナーゲル博士の作。それでレンズはエルマー付き。ツァイスのテッサー付きの小型高級カメラは山ほどあるけれど、ライツのエルマーが付いているのは珍しいよね。きっとライツはナーゲル博士のことを尊敬していたからレンズを供給したと思うんだ。
【ランカとピュピュレ】
もちろんナーゲルのカメラ全部にエルマーが付いていたんじゃなくて、廉価な3枚構成のレンズを付けたモデルもあった。その反対にシュナイダーの大口径クセノンレンズ付きのピュピュレもあったんだ。
ライツのエルマーをはじめ、いろんなレンズの付いたナーゲル博士のカメラは9月23、24日の世界の中古カメラフェア2011で全部お披露目しますので、見に来てやってください。