ヒッチコック映画に出てきたエクサクタ。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラはエクサクタ。日本だとエキザクタと書いてある場合が多いけど、ヨーロッパの人にエキザクタと言っても通じないよ。だからここではエクサクタと書きます。前置きが長くなっちゃったけど、エクサクタの何がスゴいって、実質的にペンタプリズムを搭載した35ミリ判一眼レフの世界初なのがスゴい。戦前に登場して戦後も作り続けられて、一説によるとアサヒペンタックスがペンタプリズムを作る時の参考にしたらしい。戦後モデルのヴァレックスになると、ファインダー交換式になるんだ。
【エクサクタ ヴァレックスⅡa】
正直言って、最初はエクサクタってつかみ所のないカメラだなぁって思ってた。それが転じてどちらかと言えば好きなカメラになっちゃったのは20代半ばにヒッチコックの映画「裏窓」に小道具として出てくるのを見てからだね。主演はジェームズ・スチュアート。「グレンミラー物語」でも主演してるよね。そこでトロンボーン吹いてる。ボクも16年間トロンボーン吹いてたからジェームズ・スチュアートが大好きなの。その彼が使っているんだからエクサクタは立派なカメラなんですよ。まぁ、吹奏楽&ジェームズ・スチュアートファンでなくてもエクサクタは楽しめるカメラです。スローシャッターなんて、最長12秒まであるんだけど、操作するのにひと手間かかるんだよね。
【エクサクタのスローシャッター】
構造的にも、モノコックボディだったりして先進的。この方式を追いかけたのはライツのライカフレックスにツァイスのコンタレックス。でもさすがにライツもツァイスもカメラの中に刃物を仕込むことは真似しなかったんだよね。エクサクタの中には刃物が仕込んであって撮影途中でフィルムを切れる。まぁ、ただそれだけなんだけどね。
【エクサクタのフィルムカッター】
よく切れるので取り扱いに注意(笑)。何だか妙なカメラみたいに思えるかもしれないけれど、エクサクタにレンズを供給していたメーカーを知ればどれだけの一級品だったかうかがい知ることが出来るんですよ。かのカール・ツァイスにシュナイダー、メイヤーにアンジェニュー、アストロベルリンにダルメイヤー、コーフィールド、エンナ、ファインメス、イスコ、キルフィット、キノプティック、シュタインハイル、ローデンシュトック、テレック、フォクトレンダー、日本光学ってキリがないからやめとくけどまだある。こんなカメラ、他にないよね。