クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

英国産のドリームカメラ、ウイットネス。

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。この間ブログで書いたんだけど、撮影したときに「何かがよぎる」カメラ、それがウイットネスなんだ。で、何がよぎるのか気になって夜も眠れないって言われたんで詳しく説明することにします。このカメラはイルフォードつまり英国のフィルムメーカー製なんだけど、設計したのは1930年代にドイツのカメラメーカーに勤めていたロスチャイルドという人。量産を請け負っていたのは英国の会社。カメラの性能としてレンズは専用のバヨネットマウントライカスクリューマウントの両方に対応していて、フレーミングとピント合わせが合体しているファインダーだし、シャッターダイヤルがレリーズしても回転しないとか、バルナック型ライカと比べると結構先進的だったんだ。

イルフォード ウイットネス
イルフォード ウイットネス

ウイットネスって「目撃者」という意味の英語なんだって。このカメラの面白いところは、とにかく軸受けにボールベアリングをやたら使っているところ。だから下手に分解するとジャラジャラと無数のベアリングが転がり出てくる様子を目撃することになる(笑)。精度を上げるのにドイツのカメラならダイキャストに精密な穴あけ加工をするんだろうけれど、イギリス人って精度の受け皿としてベアリングを置いて辻褄を合わせちゃうんだね。これじゃ作るのが難しすぎて300台程度しか生産できなかったワケだよなぁ。と思うんだ。

ウイットネスと交換レンズ、説明書
ウイットネスと交換レンズ、説明書】

でもね、デザインは格好いいよね。シンメトリックな感じ。レンズは英国のダルメイヤー製。F1.9のスーパーシックスもレアだけど、F1.5のセプタックなんて、ほぼマボロシと呼ばれるレンズだよ。ウイットネスはカメラもレンズも数が少なすぎるから、気合いの入ったコレクター向きなんだよね。普通の人には、あまり勧められない。
だからね、シャッターを切るとファインダーの中に「何かがよぎる」ことなんて知らなくていいと思うんだよね。もしも本気でウイットネスが欲しくなって、どぉしても「何がよぎる」のか知りたくなったら、お店に来てください。その前に、まだウイットネスが売れちゃっていないかどうか確認の電話を入れてくださいね。

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