ハッセルブラッドの基本、1000F。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。カメラ好きなら、いちどはハッセルブラッドを手にしたいものだというけれど、その基本はどれかといえば、1000Fだと思うんだよね。
【ハッセルブラッド 1000F】
創業者のヴィクター・ハッセルブラッドの作った6×6判の一眼レフカメラは、1600Fというモデルが最初。その名のとおりシャッターの最高速度が1/1600秒まである、とんでもないカメラだったんだ。
中を見ると判るんだけど、1600Fではミラーの上り下がりの駆動部分にシャッター幕のスタート機構があって、論理的には正しいけれど機械として正確に動かすには構造っていうか流石にスゥエーデン鋼の部品であっても挙動に無理があるんだよ。そこで改善策を施して最高速度も1/1000秒にしたモデルが1000Fなんだ。
【標準レンズ テッサー80ミリ F2.8】
1000Fが登場するのは1952年。ヴィクター・ハッセルブラッドが望んだのはドイツの名門、ツァイスのレンズ。戦争で東西に分割された西側のツァイスから、選りすぐりの等級で組まれたテッサーを供給してもらったんだ。テッサーにもいろいろあるけれど、ハッセルブラッド用のは別格なんだよね。写してみると判ります。
もうひとつの特徴は、金属製のフォーカルプレーンシャッターを採用していること。細かい波型のスジが加工されたシャッター幕そのものがバネの役割を果たしている。だから、普通のシャッターを整備する方法では上手く調整できない。でも、仕組みが本当に理解できれば「ほら、こうやって動くんだよ」ってカメラが喋りかけてくれているみたいな感じで気持ちよくシャッターが走ってくれるんだ。幕がバウンスするとか書いてあることもあるけれど、あれはバウンスするように組んでしまったヤツがいるだけ。1000Fは、整備しているとウワーこいつスゴいなと思うカメラだね。ただし、かなり面倒くさい(笑)。
【金属膜のフォーカルプレーンシャッター】
だからね、1000Fは故障しやすいカメラだとか噂が立つけれど、定期的にメンテナンスさえしてやれば故障なんかしないカメラなんだよ。もちろん、壊そうと思えば簡単で、金属のシャッター幕を指で突いたりしたらアウト。この金属膜は歪んでいたりエクボのある状態では正常な動き方をしてくれない。だから1000Fを買うときには整備してあることと、シャッター幕がチェックポイントだと思いますよ。
【オマケ:標準レンズ用スポーツファインダー。カッコイイ。】