英国木製トロピカルカメラ、入りました。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラは欧州出張の収穫から紹介します。ロンドンから入ってパリそしてウィーンに行ってからミュンヘンとケルンを回って帰ってきたんですけど、最初のロンドンの目当ては郊外で開催されるカメラ市。でもその前にイギリス人のカメラディーラーさんの家に行ったら出てきたんだよねぇ。木製のトロピカルカメラ。銘柄はエンサイン。
エンサインの木製一眼レフカメラ
2台あるんだけれど、どちらもトロピカルタイプと呼ばれる木目が無垢で見えるカメラ。これはチーク材なんかの熱や虫に強い素材を使って、南方の植民地でもちゃんと写真が撮れるように特別に作られたものなんだよね。金具は真鍮。通常モデルよりもトロピカルモデルの方がうんと手間がかかっていたので値段が高く、台数も少ないんです。ちなみに1台はディーラーさんの家で出て、もう1台はロンドン市内のハズレにある馴染みのカメラ屋さんに行ってみたらあったものです。
エンサイン ロールフィルムレフレックス・トロピカル
このモデルは、いわゆるボックスカメラをそのまま一眼レフに仕立て上げたような簡易型で、エンサイン銘柄になる前はブッチャー社が作っていたもの。ブッチャーの黒い革貼りなら結構見かけるけれど、トロピカルタイプとなると珍しいです。
120タイプのロールフィルムを使用
フィルム装填は、外箱から中箱を引き抜くような仕組み。シャッターはミラーの動きを利用したもので単速とBのふたつだけ。ピントは上蓋を開いて革製のフードをのばして磨りガラスのスクリーンに映し出された画像を見て合わせる一眼式。
エンサイン スピードフィルムレフレックス・トロピカル
こちらは兄貴分にあたるカメラ。フォーカルプレーンシャッターを組み込んでいて1/25秒から1/500秒プラスBの可変式。どちらも現在普通に入手できる120タイプのロールフィルムを使って6×9判の写真が撮れる。だいたい90年前のカメラだけど、今でも使えるんです。このカメラのトロピカルタイプは、とんでもなく珍しいですよ。
120タイプのロールフィルムを使用
イギリスから持ち帰って蓋を開けてみたらフィルムが入ってたんだけど、裏紙に英語で「考えるな ただ撮るべし!」って書いてあって笑っちゃった。このままでは写真が撮れる状態じゃないからオーバーホールして、外観もピカピカにしなくちゃいけないんだけれど、豪華なトロピカルタイプだと気合いの入りかたが違うもんです。値段は整備が全部済んでからつけますので、どうぞ楽しみに待っていてください。