行ってみたいよね、リヒテンシュタイン。
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。2017年、松屋銀座「世界の中古カメラ市」では、ツァイス・イコンの35ミリ判二眼レフ、コンタフレックスを3台も出す予定で今じゃんじゃん整備してます。それはさておき、リヒテンシュタインって国の名前は聞いたことあるよね? スイスとオーストリアの間にある小さな国で、行ってみたいと前から思っているんですよ。
レクタフレックス リヒテンシュタイン
その理由は、リヒテンシュタインで作られたカメラがあるから。レクタフレックスは戦後の早い時期にイタリアのローマで作られた一眼レフの元祖みたいなカメラです。そのレクタフレックスを作っていた会社が倒産してしまい、次期モデルとして製造してあった部品をリヒテンシュタイン公国が買い上げて少数台が製造されたという、いわくつきのカメラがこれなんですよ。ペンタプリズムには王冠と青赤のリヒテンシュタイン国旗があしらわれてるね。
レクタフレックス用マクロキラー 64.800円
このレクタフレックス用の交換レンズは、イタリアのベータ、フランスのアンジェニューやSOMベルチオ、ドイツのカール・ツァイスやシュナイダーに加え、リヒテンシュタインのキルフィットも作っていた。これがキルフィットのマクロレンズ、マクロキラーというマクロレンズの元祖みたいなレンズです。レクタフレックス専用マウントのリアキャップがレアだね。
*詳しくは:レクタフレックス、幻のレンズ (2014/2/05)
レンズの後ろに原産国表記
で、そのレアなリアキャップを外してみれば、リヒテンシュタイン製と刻印されてる。キルフィットってドイツのミュンヘンの会社じゃなかったかな? と思った人は古いカメラとレンズに相当詳しいね。このマクロキラーというレンズは最初にリヒテンシュタインで作られて、そのあとドイツ製に切り替わるんですよ。
レンズのベゼルに刻印された社名
レンズの後ろの原産国が答えなんだけど、レンズ前面のベゼルにもヒントがあるんだね。ちいさな字で「ファドゥーツ カメラ 設計」と刻印がしてある。これがキルフィットの最初の社名。ファドゥーツというのは、行ったことはないけれど、リヒテンシュタインの首都ですよ。
レクタフレックス ノクトン50/1.5付き 2,160,000円
このあいだ店にきてくれたスイス人らしきお客さんが、リヒテンシュタインに行きたいと思ってるって言ったら「そしたらチューリッヒからバスに乗って北に向かってそれからどうして」とか説明してくれたんだけど、何だか面倒くさそうな感じだったなぁ。いずれにしても銀座松屋にリヒテンシュタイン製のレクタフレックスと激レアなフォクトレンダーのノクトン付きセットや、リヒテンシュタイン製のレンズも出しますので、興味のある方は見にきてください。