クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

あだ名は「ブーメラン」。

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラはコダックが作った世界最初の自動露出カメラ、スーパーコダックsix-20
1938年に出た、すごい格好のカメラなんだ。アメリカのデザイン四天王のひとり、ワルター・ドーウィン・ティーグの作。この人はコダック・バンタムスペシャルのデザインもしているよね。

折り畳むとコンパクトになる設計でクラムシェルデザインだとか何とか呼ばれているけれど、なんだか「みのむし」みたいだよね。それはそれとして、コダックの社内では「ブーメラン」というあだ名で呼ばれていたらしい。その理由は、売っても必ず帰ってくるから…。

このカメラは基本的にシャッター速度優先のオートで撮るものなんだけれど、スローシャッターを使いたい時なんかにはマニュアルでセットすることも出来る。でも、その方法があまりにフクザツで普通のアメリカ人には覚えきれなくて、手順を間違えて操作して自動露出の心臓部を壊してしまう事故が多発したんだよね。だからブーメラン(笑)。そもそも製造した台数が714台と言われているから、いま動いている台数なんて想像もつかないよね? このカメラをマジで修理して動くのを売っているのはウチぐらいだと思うんだ。

シャッターもファインダーも自動露出の部分も整備するのがスゲー大変なんだけれど、バッチリにしてフィルム入れて銀座で写真を撮ってみたら、これがスゲーよく写るんだよ。スペシャル・アナスティグマットって、とんでもない優秀レンズだね。飾りじゃなくて写せるカメラだから買ってくれるお客さんにはフクザツなマニュアル露出の操作方法も教えますよ。ちゃんと覚えてもらわないと、こっちに向かってブーメランが帰ってきちゃうからね(笑)。

スーパーコダックsix-20
スーパーコダックsix-20

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