クラシックカメラの修理は、設計者との戦いだ
どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。このあいだドイツから帰ってくる飛行機の中で考えていたんだけれど、カメラ史上に名を残すレア度の高い機種の中には、修理がとんでもなく大変なのがある。クラシックカメラの修理って、結局は設計者との戦いなんだよね。
コダック・エクトラなんか、その代表選手だね。第二次世界大戦中に作られたカメラなのに、レバー巻き上げでマガジン交換できて、ファインダーは254ミリの望遠レンズにまで対応するしモータードライブだって用意しようとしていた。アメリカは戦争中なのに、何でこんな夢みたいなモノを作るんだ?って感じのカメラだよね。
実際に修理をしていくと「何でこんな設計をしたのか?」と首を傾げたくなるのがシャッター部分。すごいタイトな設計だからシャッター幕の交換が大変。でも幕は交換してやらないと上手く動かないんだ(笑)。
でもね、こんなにタイトな設計になった理由って全部を修理して出来上がってみると「これじゃなきゃダメだったんだな」って納得できる。
この、ナルホド、わかった!っていうのが面白いんだよね。うまく直らないときには妙な設計しやがってと腹も立つけど、問題点をクリアできれば、設計者と同じ目線でカメラを見渡せるんだ。コダック・エクトラを設計したジョセフ・ミハリイさんはもうこの世にいないから、このカメラが抱えていた設計上の問題は、きっとオレにしか判らない(笑)。
シャッターチャージがなぜ重いのか? この「重さ」をコントロールする方法はあるのかないのか? その答えは、ボクが修理したカメラに触ると判ります。ちなみに、いまコダック・エクトラの在庫、あります。
【コダック・エクトラ】