第四十四回 ロングコートチワワのピコ
![早田カメラ店内にて(2006)](img/history44_01.jpg)
今年(2021年)の松屋銀座中古カメラ市はコロナ対策で会場にお客さんは100人以上入れちゃいけないことになって、ボタンをカチャカチャ押すと数字が出る数取り器を松屋の人が手にしてお客さんの数を勘定してね、一人出てきたら一人入れて誘導したの。それで初日には入場を持ってもらっているお客さんがずーっと長い列になっちゃったんだよ。何しろ感染防止対策でディスタンスを保ってもらわないといけないから、普通の行列よりも長くなっちゃうんだよね。
うちのお客さんは年寄りも多いから、もう待ちきれなくて並んでいる途中で帰っちゃった人もいたんだよ。申し訳なかったね。まぁ、しょうがないんだけど。でも全体的には予定以上に売り上げがあって、松屋の人たちも中古カメラ市には一目置いてもらっている感じで、参加しているお店のことも大切に思ってもらっているんでありがたいよね。
この写真は、改装する前の店の中で撮ったピコだよ。15年前のカメラショウで買ったの。いや、カメラ市の会場にはチワワは売ってないですよ。昔はデパートの屋上ってだいたいペットショップがあったでしょ。その頃は松屋銀座の屋上に、まだペットショップがあったの。それで中古カメラ市の会期中にお母さんがしょっちゅう見に行っては、「あそこに可愛いのが1匹いるんだけど、どうする?」とかやってたの。あの頃にはラプラドールのティナ(第二十五回に登場)がうちにいたでしょ。あとは猫が2匹ね。それでもチワワが飼いたくてしょうがなかったのよ。ポメラニアンのルーリーが死んじゃってから小型犬っていなかったからね。
お母さんによると、ペットショップのケージの中にチワワと一緒に黒のトイプードルの子犬がいてね、ピコの方がちっちゃかったからいじめられてたの。それが気になって、それで月賦でね。あいつ25万円もしたんだよ。だって純血種だもん。そう考えたら最近うちに来たロモって格安だよね。ロモって何って?まぁ、それはまた話すけどピコが来た時はティナも元気だったよ。あいつは来るものは拒まず、猫とも仲良くしていたから。ティナはあまり世の中のことを考えなかったからね。頭はいい子だった。
ピコって名前つけるのにはね、すごい悩んだの。ちっちゃいからナノにしようかって言ってたんだけど、ナノより小さいピコにしようってなったの。そうしたらもっと小さなティーカッププードルとチワワのミックスのアビィが来ちゃったの。アビィの話も、また今度ね。
次回予告
パリのフォトベルドー
![パリのフォトベルドー](img/history45_01.jpg)